そのファイルはヤバい?オフィスソフトを潰すマクロウイルス

文書ソフトや表計算ソフトなど、オフィスソフトにはマクロという機能があり、ソフト上の動作を自動的に行えるように、繰り返し操作を登録することができる機能です。
マクロが利用できるのは非常に便利なのですが、それを悪用したコンピューターウイルスがあるのをご存知でしょうか。
それはマクロウイルスと呼ばれるもので、オフィスソフトに埋め込まれているマクロの仕組みを悪用して感染するウイルスで、利用者に気づかれないようにこっそり感染することが多く、自己増殖や破壊活動などが行えるように設計されています。
マクロを使用していれば、知らないうちに感染していたということがあるので、マクロを利用するときは気を付けないといけません。

マクロの構造は、ソースコードを記述するとそのまま保存することができ、ファイルを開くといつでも使用できることが特長です。
なのでマクロのソースコードを改造して再配布することもでき、マクロを使用したファイルの亜種が作りやすい環境となっています。
マクロが実行できれば、OSの種類を問わず感染してしまうようになり、マクロウイルスに感染しやすくなり、アプリケーションソフトが複数のOSに入れられるようになってきたことで、複数のOSにまたがって感染することも考えられます。
マクロを使用したファイルを共有していれば、感染が大きくなることも考えられるでしょう。
ウイルスの中には、感染したファイルを開くとソフトの設定を改変し、削除しても他のファイルに感染してしまうものも出てきて、電子メールに添付して、ネットワークを通して感染することが多く、企業活動においては感染が大規模になる場合があります。

マクロウイルスが広がるのは、大量のスパムメールによる感染が事例としてよく取り上げられていて、オフィスソフトのマクロ機能を悪用して、オンラインバンキングサービスを狙うスパムメールが多く送られるケースがあります。
添付の文書ファイルを開かせようと、大量のスパムメールを送りつけて感染させようとし、こうした手口は金融機関が狙われることが多く、パスワードや電子証明書に利用される情報を盗み取るために感染を図ります。
送信元は実在する会社のメールアドレスになっていることが多く、これを見るだけでも本物のメールだと思ってしまい、こうした手口は「ばらまき型メール」と呼ばれ、不特定多数に広く送られることが特長です。
マクロ機能がデフォルトで有効になっていれば、マクロウイルスに狙われる可能性が高まり、このときの対策としては、オフィスソフトのマクロ機能をデフォルトのまま無効化することで、感染を防ぐことができます。
ばらまき型メールの手口なら、同じ社内の人にも届いている可能性があるので、添付ファイルがあればシステム部門にチェックしてもらい、安全性を確認してもらいます。
マクロが使用されているファイルが送られたら、安易に開かないようにすることが大事で、しっかりとした設定をするようにしましょう・