自動的に動く!自滅の可能性があるロジックボム

コンピューターの危険性をあおるマルウェアの中には、潜伏して自動的に動く仕組みがあるものもあります。
それはロジックボムというもので、感染したら自動的に動くようになり、最終的には自滅してしまうマルウェアで、コンピューターを破壊してしまう能力があるので、感染してしまうと厄介なマルウェアだと思います。
指定した時刻が到来する、もしくはシステム上の条件を満たせば自動的にプログラムが動き、多くのデータを破壊したら自分自身も破壊します。
自分自身も消滅してしまったら、あらかじめ搭載された不正プログラムを拡散させる種もあり、感染拡大も進めています。
コンピューターウイルスには自己増殖機能がありますが、ロジックボムには自己増殖機能がなく、仕込まれた環境の中で潜伏します。
潜伏したら決まった時間または条件が満たされるまで全く動かず、作動すればコンピューターの操作が不能になるなどの被害を受けます。
ロジックボムは作動すると致命的なダメージを受けるため、サイバー攻撃にも利用されてしまい、これには破壊活動のほかに、実際に作動する前にデータの盗用などを行うものもあります。

ロジックボムの感染経路は、ウイルスやワームなどと同じようにネットワークを通じて感染することが多く、ネットワーク経由で感染するので、知らないうちにロジックボムが入っていることに気づいてしまいます。
ネットワーク以外にも、ロジックボムに感染してしまう事例がいくつかあり、市販のソフトやフリーソフトをダウンロードしていると、知らないうちにロジックボムもダウンロードしていたということもあります。
また、雑誌の添付ディスクをパソコンに入れてみていたら、ロジックボムがパソコン内に取り残されたままディスクを出すこともよくあることです。
これらの事例からもロジックボムに感染することがあるので、知らないソフトは何でも入れないようにしましょう。
別のマルウェアに感染したら、その置き土産としてロジックボムが仕組まれていることもあるので、ロジックボムにはとても注意しなければなりません。

ロジックボムの中でも特に有名なのが、チェルノブイリと呼ばれるロジックボムで、チェルノブイリ原子力発電所事故にちなんで名づけられたもので、実際に事故が発生した4月26日に作動するように設計されています。
毎年この日に作動するようになっているからこの名前になり、特定の日時に作動するものとしてはこれが有名です。
1998年に台湾で発見されたことを皮切りに、毎月26日に作動するものなどの亜種も確認されています。
感染方法は一般的なコンピューターウイルスと同じく、Windowsの実行形式ファイルから感染し、破壊力は非常に強いです。
トルコや韓国などで大きな被害をもたらし、韓国では約100万台のコンピューターに感染、2億円以上の被害を受けました。
ロジックボムはウイルスのような感染方法なので、ウイルスと同じくらいにしっかりとした対策が必要です。