取り締まるために!ウイルスに関連する法律

コンピューターウイルスが広範囲で感染すると、ご家庭のパソコンだけでなく会社や官公庁などのネットワークにも影響を受けてしまいます。
ウイルスによる被害が広がらないように、法律による取り締まりが進んでいて、ウイルスの感染を広めるともちろん取り締まりを受け、もちろんウイルスを作成した人にも厳重な取り締まりが行われます。
日本では、2011年の刑法改正により「不正指令電磁的記録に関する罪」が新設され、コンピューターウイルスに対する取り締まりが強化されました。
日本でウイルスを感染させるようにしてしまえば、この罪のほかに業務妨害罪などの規定が適用されることがあります。
コンピューターウイルスを取り締まる法律ができるまでには、長らくの時間を費やし、議論を重ねたうえで厳重な取り締まりができるようになりました。
2003年に法務省がサイバー犯罪条約に批准するために法の整備を進めることを発表し、「ウイルス作成罪」の新設を目指すことになりました。
2004年にウイルス関連の刑罰を盛り込んだ刑法の改正案が国会に提出され、継続審議や廃案、再提出を繰り返すようになり、なかなか可決することがありませんでした。
2011年にようやく可決・成立し、正式な理由なく無断でウイルスを作成・提供・取得・保管したら刑罰を受ける規定が適用されるようになりました。

不正指令電磁的記録に関する罪は、コンピューターウイルスでコンピューターに対して正常な動作をさせず、意図に反する動作や不正な指示を与えるようにしないために適用されています。
主にコンピューターウイルスに対するもので、ウイルスの感染により狙われる個人情報や重要なデータを守るためにあります。
この規定では、様々な状況に応じた刑罰が規定されていて、懲役や罰金が科せられるようになり、社会的にも大きく影響します。
正当な目的がなくウイルスを作成・提供すれば、「ウイルス作成・提供罪」が適用され、意図とは無関係に勝手にウイルスが実行されるようになれば、どうにもなりません。
ウイルスの作成者に対して、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられ、重大な責任を感じてもらいます。
ウイルスを作成するのはもちろんダメですが、ウイルスが使える状態にすることもよくないことで、そんなときは「ウイルス供用罪」が適用され、勝手に実行できるようにした場合、しようとした場合に適用されます。
こちらもウイルスの作成と同様に、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるので、ウイルスが使えるようにすることは絶対にしてはいけません。
勝手に実行することを目的に、ウイルスやそのソースコードを取得することもよくないことで、こちらの場合は「ウイルス取得・保管罪」が適用されます。
ウイルスを取得・保管しただけでも罰せられ、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられ、取得・保管すればいつ使われるのかわからないため、その時点で取り締まりを受けます。

コンピューターウイルスによる被害をもたらしたら、信用毀損罪や業務妨害罪なども適用され、社会全体にどう影響しているのかがわかります。
信用毀損罪は他人の信用を低下させた場合に適用される罪、業務妨害罪はウイルスなどの手法を用いて業務を妨害した場合に適用される罪です。

安全を守るために!ウイルス感染を防ぐバックアップ

パソコンを日常的に使用していれば、セキュリティ対策はずっとしていかなければなりませんが、特にコンピューターウイルスに関しては、感染しないように気を付けなければなりません。
もし感染してしまった場合は、あなたが使用しているデータが使用できなくなる恐れがあり、感染してしまえばすべてが駄目になってしまうので、大事に保管する必要があります。
ウイルスに感染しても大丈夫なように、バックアップを取っておく必要があり、感染して適切な処理をすればそこから復元すればまた使えます。
大事なデータはバックアップを定期的にとり、ウイルスに感染しても復元できるよう、準備するようにしておきましょう。

ユーザーにとって大事なデータとは、アドレスやメール、文章、写真などの個人が大切に使用しているものが多く、それらを守るためにバックアップをとる必要があり、外部のメディアに保存しておきます。
バックアップできるものは個人が大事にしているデータやインターネットなどの設定があり、ソフトウェア自体はバックアップできません。
バックアップに使用する外部のメディアは、CDやDVD、USBメモリー、外付けハードディスクなどが使用され、これらのメディアにデータを保存しておけば、もしものことがあったときにすぐ使用できるようになります。
バックアップの後にウイルスに感染したら、パソコンを購入当初の状態に戻すリカバリーを行い、リカバリーが終わればOSの初期設定を行い、リカバリー前に入っていたソフトが消えていたら再びインストールします。
ウイルス感染により外していたネットワーク回線に再びつなぎ、通信ができる状態にし、また感染しないようにウイルス対策ソフトをインストールし、しっかりとした管理体制をつくっていきます。
バックアップを保存した外部メディアをパソコンに入れ、ウイルス対策ソフトのチェックを通し、そこで問題がなければ、パソコンに移し替えて再びデータが利用できる状態にします。
バックアップしたデータをもとに、感染前の状態にする操作を復元と呼び、重要なデータが使える環境を整えていくのです。

コンピューターウイルスは、一度駆除したらもう大丈夫だと安心しては困るものなので、また感染することも考えられるので、復元してもまた狙われることがあります。
ウイルスは脆弱性を狙うので、再び感染しないようにするには脆弱性がないようにしなければならず、ソフトウェアを最新のものにすれば脆弱性がなくなるので、定期的なアップデートをすることが重要です。
インターネットを利用していてもウイルスに感染するので、ブラウザが古いとウイルスに狙われるので、特にブラウザは最新のものにしておく必要があります。
最新のものにすべきはOSやブラウザだけでなく、ウイルス対策ソフトも常に最新の状態にする必要があり、新しいウイルスが開発されているので、それらに対応できるように新しい状態で対策をとらなければなりません。

どこに注目すべき?セキュリティソフトの選び方

コンピューターウイルスの感染を防ぐためには、セキュリティソフトの導入が有効的ですが、その種類の多さからどれが自分にふさわしいものか、わからない人もいるのではないでしょうか。
セキュリティソフトの選び方を知っておけば、今自分がどのソフトがいいのかがわかり、導入するパソコンの特長に合うものを導入できます。
まず自分が求めているのはどんなものか、いくらで導入すればいいのかを、あらかじめ決めておきますが、ここで知っておくべきセキュリティソフトを選ぶ基準は、機能・動作・価格の3つです。

機能に注目して選ぶには、ソフトの重要な機能であるウイルスやスパイウェアなどの検出率が高いものがいいでしょう。
インターネットを多く利用する人にとっては、こうした検出機能の性能が良いほうが、安心してインターネットが利用できると思います。
ウイルスの検出機能もそうですが、ウイルスの検出のみならず、そのほかの機能も充実している方がいいのではないでしょうか。
初心者でセキュリティソフトのことがわからない人にとっては、機能が豊富にあるものを導入すればいいでしょう。
メールをよくする人なら、迷惑メール対策機能があるものがおすすめで、メールの添付ファイルからのウイルスの感染が防げるでしょう。
子供にもパソコンを使わせているのなら、有害なサイトが見られないようにするための機能があれば、安全にパソコンが利用できます。

ウイルスの検出性能が良くても、動作が重たいと使い勝手が悪く、いざというときに対応ができなくなることもあります。
セキュリティソフトを選ぶときは、動作が軽いものの方が使いやすく、パソコンによって動作の軽さを確かめることも重要です。
古いパソコンにセキュリティソフトを導入するときは、ウイルス対策機能しかなく動作が軽いものを導入するといいでしょう。
動作が軽いものを選ぶと、ウイルス対策以外のフィッシング詐欺や個人情報などの対策ができなくなり、そうなったら自分でしっかりと管理していくことになるので、これらは別に対策をとるようにしましょう。

セキュリティソフトを選ぶときに、機能や動作もそうですが、その中でも特に基準になるのが価格ではないでしょうか。
セキュリティソフトを大きく分類すると、1つのソフトで1台に入れられるもの、1つのソフトで複数台に入れられるものに分けられます。
会社や家庭などで複数のパソコンを使用しているのなら、1つのソフトから複数台にインストールできるものがいいでしょう。
長期的に見て、どちらがお得になるのかもよく考えなければならず、価格は最初に購入するときの価格だけでなく、年度更新価格についてもしっかり見ておく必要があります。
長期的に見てお得なのは、初期購入価格が高くても年度更新価格が安いものが利用でき、セキュリティソフトによっては、年度更新価格が0円というものもあります。
性能がいいセキュリティソフトには高価なものが多いため、自分が必要な機能を十分検討したうえで選ぶのがいいでしょう。
初心者なら性能がいい高価なものがおすすめで、インターネットをほとんどしないのなら安価なものがおすすめです。

作成者が対抗?セキュリティソフトに負けないステルス技術

セキュリティソフトを導入していれば、コンピューターウイルスの検出がしっかりと行われますが、ウイルスの作者にとってはセキュリティソフトは敵であり、さらに感染を拡大させようとしていくのです。
セキュリティソフトに検出されないように長く潜伏できる技術が確立され、隠れて行動するウイルスが作られるようになりました。
ウイルスが身を隠して行動できるようにする技術はステルス技術と呼ばれ、それを駆使したウイルスは数多くあります。
セキュリティソフトは、様々な方法でウイルスを検出する仕組みで、中には新しいウイルスも検出できるものもあります。
代表的な検出方法に、パターンマッチング手法とヒューリスティック手法があり、パターンマッチング手法はウイルスのプログラムの特長をとらえてすぐに検出する方法、ヒューリスティック手法はプログラムの動作を解析し不正な動作をしていると判断すれば検出する手法です。
これらの手法で検出されないようにステルス技術が利用され、ウイルスが長く動くためにハッカーがその技術を生み出しました。

ステルス技術で生み出されたコンピューターウイルスには、ポリモーフィック型とメタモーフィック型の2種類に分けられます。
ポリモーフィック型は、感染するたびに自身を暗号化し、ウイルスの大きさやデータの中身を変化させる仕組みを持ったウイルスで、自身を暗号化する技術があれば、セキュリティソフトの検知をかわすことができてしまうのです。
メタモーフィック型は、プログラムを分割して順番を入れ替える、不必要な処理を挿入するなど、自身のプログラムの内容を書き換え、様々なパターンのウイルスになります。
両者の違いとしては、ポリモーフィック型が暗号化、メタモーフィック型が書き換え、というように覚えておくといいでしょう。
たとえ同じ動作をしてもパターンが同じとは限らないため、古いセキュリティソフトでは検知しにくいものになり、新しいソフトで対応するしかないのです。

セキュリティソフトに検出されないようにステルス技術があることから、これで作られたウイルスは検出できないのか、不安になるところです。
しかし、全く検出されないかというとそうでもなく、セキュリティソフトの状態によっては検出できることがあります。
ウイルスの技術が進化していくのと同時に、セキュリティソフトも常に最新の状態になっていき、行うべき対策としては、ソフトのウイルス定義ファイルを常に新しいものにしておくことが重要になります。
セキュリティソフトだけでなく、OSやソフトウェアの修正プログラムを適用し、脆弱性を少なくすることも大事です。
ユーザー自身も気を付けなければならず、知らないメールの添付ファイルや悪質なサイトに気を付ければ、ウイルスに感染する可能性は低くなります。
感染してしまったときに備えてバックアップを取ることも大事で、常にウイルスに対しては警戒しておいた方がいいでしょう。

有利な対策!導入すべきセキュリティソフト

コンピューターがウイルスやマルウェアに感染しないようにするには、セキュリティソフトの導入が有効な対策になります。
セキュリティソフトといっても、その種類はたくさんあり各種特長が異なるので、どれが1番いいのかはよくわかりません。
各ソフトの特長を比較することで、自分に合ったものを導入することができ、有効な対策がしっかりと行うことができ、選ぶときは、パソコンを使用する目的やファイルの重要性、導入にかける予算などを考慮したうえで選びましょう。

世界的に高いシェアがあるセキュリティソフトに、「ノートン セキュリティ」があり、マルウェア対策や迷惑メール対策のほかに、個人情報の保護や有害サイトのブロックなどにも優れています。
このソフトではQuorumという技術を利用し、プログラムの安全性を評価し、その評価を利用者から自動収集し、その評価をもとに、新しいコンピューターウイルスの検知率を向上させていきます。
振る舞いを検知する機能としてSONARというものがあり、不正な動きがあればすぐに検知することができますが、この機能では利用者の少ないプログラムはマルウェアとみなすことがあるため、この機能の利用には注意が必要です。

セキュリティソフトは、検出力が高いものがよく、同時に動作が軽いものの方が使い勝手がいいでしょう。
これらの性能があるソフトに、「ESET セキュリティソフト」があり、未知のコンピューターウイルスの検出に優れていて、アドバンスドヒューリスティック機能と呼ばれています。
このセキュリティソフトには、他のソフトには見られないPC盗難対策機能が搭載されていますが、それほど多くの機能を搭載していないため、動作は極めて軽いものになっています。
ただし、Webサイトの安全性を表示する機能がないため、悪質なサイトの見分けがつかないことが考えられますが、機能の多さを求めていない人におすすめで、価格を抑えたい人にも最適です。

Webサイトからウイルスの感染を防ぐことを考えたなら、「ウイルスバスタークラウド」がおすすめです。
リンク先のサイトの安全性を確かめる機能が優れていて、検索エンジンの検索結果のURLだけでなく、SNSなどに書かれたURLも評価の対象に入れています。
URLをすぐに確かめて安全性を評価する機能は、このソフト以外にはまったくなく、コンピューターウイルスは悪質なサイトから感染することがあるため、サイトの安全性は重要なものになります。
日ごろからインターネットを利用する人にとっては、Webサイトからの感染は避けたいところで、これさえあれば大丈夫でしょう。
専用のファイアウォール機能はありませんが、Windowsファイアウォールのアドオンとして提供されるので、安心して対策が行えます。
パソコン全般のサポートもしっかり受けられ、利用者のニーズにもしっかり応えられ、全体的に優れたソフトだといえるでしょう。
これらのソフト以外にも、ウイルス対策ができるセキュリティソフトはたくさんあり、自分に合ったものを導入しましょう。

感染しないように!ウイルスから守る対策方法

コンピューターウイルスに感染してしまうと、自分のパソコンが使えないだけでなく、他人のパソコンにも影響を与えてしまいます。
感染する前に、できるだけしっかりとした対策を行う必要があり、コンピューターウイルスはソフトウェアの脆弱性を狙うことが多いため、ソフトウェアは更新しておくことがとても大事です。
脆弱性はソフトウェアに不具合や設計上のミスなどがあると、不正アクセスやウイルスの感染を招いてしまい、これらの欠陥を修正することで脆弱性がなくなり、ウイルスに感染することは少なくなるのです。
ソフトウェアの更新は、多くの場合は開発したメーカーが更新プログラムを作成して、ユーザーに提供されています。
更新すると脆弱性がなくなっていきますが、完全になくすことは難しいため、また新たに脆弱性が見つかることが現状です。
ネットワーク上にあるサーバーであれば、脆弱性があると他のコンピューターを攻撃するための踏み台になる恐れがあり、ウイルスの発信源になってしまうこともあります。
OSやソフトウェアの更新は重要で、更新情報を収集してすぐに更新できるようにしておきましょう。

コンピューターウイルスを防ぐ方法には、ウイルス対策ソフトの導入がよく行われ、これを導入すれば、コンピューターを起動したときに同時に起動し、外部との通信に使われるデータを常時監視するようになります。
ウイルス対策ソフトは常に有効な手段だと思われていますが、新しいウイルスには対応できないことがあります。
過去に発見されたウイルスに対応した検知用データから、ウイルスを見つけ出す仕組みになっていて、検知用データは最新のものにしておく必要があります。
有料のものなら、契約期間内に自動的に更新できるようになっていて、最新の状態に保つことができます。
契約期間が切れると検知用データが更新できなくなるため、コンピューターをしっかり保護することができなくなり、ウイルスに狙われるようになります。
なので、コンピューターをウイルスから守るためには、セキュリティ対策にできるだけ必要な投資をしていくことが大事になります。
ウイルス対策ソフトだけでなく、インターネットサービスプロバイダが提供しているウイルス対策サービスも利用できます。
このサービスでは、プロバイダが検知用データを自動的に更新するため、ユーザーが更新作業する必要はありません。

コンピューターウイルスは、悪質なホームページやメールなどから感染することが多く、怪しいと思ったホームページやメールを見るのはやめた方がいいでしょう。
悪質なホームページにつながるようなリンクや不審なメールの添付ファイルは、決して開かないようにしましょう。
これらが一般的な感染経路として有名なので、特に注意すべき事項となり、ソフトウェアの更新やウイルス対策ソフトに頼るだけでなく、ユーザー自身の操作でも気を付けなければなりません。
コンピューターを利用していて、これは怪しいなと感じたら、実際に触ってみるのではなく本当に安全かどうかを確かめる必要があります。

狙われるとヤバい!ウイルスも利用するDoS攻撃

セキュリティ対策は常に行わなければならず、ウイルスの感染はもちろん外部からの攻撃にも備えないといけません。
その中でもDoS攻撃は特に警戒すべきもので、コンピューターやネットワークがサービスを提供できないようにします。
コンピューターの脆弱性をつく攻撃を行う方法、サーバーの処理能力やネットワークに対して過剰な負荷をかける攻撃をする方法、この2種類の攻撃があります。
複数のコンピューターを攻撃側に巻き込むものはDDoS攻撃と呼ばれ、さらに悪質な攻撃となっています。
DoS攻撃を受けると、通信量の増大で通信速度が遅くなったり、特定のサーバーにアクセスできなくなったりと、様々な症状が現れます。
DoS攻撃の攻撃手段の中にはWebブラウザを狙うものがあり、ブラウザの再読み込み機能を使って攻撃する方法があり、その攻撃方法はF5攻撃と呼ばれることがあり、F5キーを連打する攻撃であることからそう呼ばれています。
WebブラウザではF5キーにブラウザの更新機能が割り当てられ、このキーを押すことでWebサーバーにリクエストが送られ、大量のリクエストが送られることで、Webサーバーにダメージを与えるのです。

DoS攻撃の中で複数のコンピューターを使う攻撃は、DDoS攻撃と呼ばれていて、エージェントと呼ばれる複数のコンピューターを使って一斉攻撃する方法と、ルーターやサーバーに反射させて集中攻撃する方法があります。
両者の攻撃方法が組み合わされて攻撃されることもあるため、特に警戒が必要な攻撃になり、前者のエージェントを使って一斉攻撃する方法は、コンピューターウイルスが使用されることがあります。
2000年ごろから、トロイの木馬などのコンピューターウイルスに感染したパソコン、様々な種類のマルウェアに感染したパソコンが悪用されて、攻撃する事例があり、2008年ごろからはボットネットも使われるようになり、さらに攻撃手段が悪質になってきました。
コンピューターウイルスはエージェントプログラムとして、パソコンに組み込んで踏み台やゾンビコンピューターとして利用していきます。
特定のサーバーを標的にして、複数の踏み台から一斉攻撃を行い、この方法から協調分散型DoS攻撃とも呼ばれています。

DoS攻撃を防ぐ方法は、侵入防止システムなどを使って対応することが挙げられ、侵入防止システムにはシグニチャに基づく防御機能があり、プロトコルを実装する側の脆弱性を解消するようにしています。
インターネットに関してはWAFという防御機能に、スローなHTTP系の攻撃に対応できる設定が行えるようになりました。
インターネットサービスプロバイダーもしっかりとした対策が行われ、イングレスフィルタリングという対策がとられています。
送信元IPアドレスを偽っているパケットの通信をフィルタリングすることで、コンピューター自身が攻撃元にならないようにします。

パソコン以外にも!感染すると怖い携帯電話ウイルス

ウイルスの感染はパソコン以外にも、携帯電話に感染することもあり、携帯電話の通信機能を通して、他の携帯電話にも感染していくウイルスとなっています。
最初に感染が確認されたのは、2004年にロシアでCabirというウイルスが発見され、Bluetoothを通して感染するもので、当初はあまり害がないといわれていましたが、翌年には日本を含む17か国で確認されました。
携帯電話の技術が高度なOSの開発により向上すると同時に、多くのウイルスやマルウェアがつくられるようになり、スマートフォンが登場してからも、ウイルスによる被害が報告されていて、さらなる警戒が必要になっています。

スマートフォンの流通で最初にウイルスが確認されたのは2011年、韓国で通信音声を録音するトロイの木馬型のウイルスで、発見時には、複数の亜種が出回っていたことがわかり、同じ年にアメリカでも確認されています。
このウイルスが発見されてからはOSのアップデートにより脆弱性が閉じられましたが、翌年に別の脆弱性をついた盗聴ができるウイルスが確認されました。
最近では2015年に、利用者に電源オフだと思わせて外部からスマートフォンを操作するマルウェアが、中国で確認されました。
電源がオフになっていると思いこませたときに、電話を掛けたり写真を撮ったりするなど、外部から不正操作が行われるようになり、それだけでなく、マイクを起動させて会話を盗聴する機能があるともいわれています。

携帯電話・スマートフォンに感染するウイルスは、特に利用者のプライバシーを狙うことがあり、メールアドレスや電話番号など、個人情報を盗み出すウイルスは膨大な種類があると言われています。
ウイルスの中にはランサムウェアと呼ばれるタイプのものもあり、それはスマートフォンを人質に身代金を要求する、極めて悪質な行動をとります。
スマートフォンの機能をロックし、それを解除するために利用者から金銭を請求し、詐欺の手口として利用され、感染してしまうとスマートフォンが使えなくなるので、注意すべきウイルスだと言えます。

スマートフォンがウイルスに感染する主な原因として、インストールしたアプリケーションによるものだといわれています。
信頼できるサイトからアプリをインストールすることで、ウイルスの感染を防ぐことができ、アプリをインストールするときはGoogle Playなどの有名なサイトから行い、その他のいわゆる野良サイトからはインストールしないようにしましょう。
野良サイトには不正なアプリが入り込みやすいので、あまりよく知らないサイトは最初から利用しないことが大事です。
インストールするときは、製作者が信頼できるところかどうか確認し、レビューやダウンロード数も参考にすることも重要です。
もちろんセキュリティアプリをインストールすることは特に大事で、ウイルスの感染を未然に防ぐよう、しっかりとした対策をとりましょう。

世界でも被害が!ウイルスに関連する事件

コンピューターウイルスの被害は日本国内のみでなく、海外でも被害を受けている事例が多くあり、ウイルスに関連した事件は1980年代から注目され、その後も様々なウイルスが作られ、被害の報告があります。

世界初のコンピューターウイルスと呼ばれているものに、Brainというものがあり、作成者は、コンピューター関係の会社を経営するパキスタン人の兄弟です。
このウイルスの特長は、フロッピーディスク内のブートセクター内に侵入し、そこからシステムをコピーすることで感染していきます。
ウイルスは3.5KBと非常に大きく、感染しても自身が発見されないように偽装をしてあり、もともとは違法コピー対策として開発され、違法コピーにより感染し、感染したソフトを起動した時に会社に連絡するように促すメッセージを表示させるようにしました。
コンピューターが普及していたアメリカで大量に発見され、マスコミでは大きな問題として取り上げられました。

コンピューターウイルスの中で、史上初のマクロウイルスが確認されたのは1995年で、Conceptというウイルスが発見された当時は斬新なウイルスとして扱われてきました。
処理を自動化するプログラム(マクロ)を利用し、条件が一致していれば次々と感染していくウイルスとして、注目されました。
発見されたものの特に目立った害はなく、新しい感染形式を見せつけた形となり、このウイルスが発見されてから、マクロウイルスに対する技術開発が早く進みました。
オフィスソフトがあれば感染するタイプのもので、現在は様々な種類が作られ、ばらまかれている状態です。

1998年には、アジアを中心に広大な被害を与えたコンピューターウイルスが確認されました。
台湾でそのウイルスは確認され、発見されたときは毎年チェルノブイリ原子力発電所事故が起きた4月26日に動くようになっていることから、チェルノブイリと呼ばれています。
チェン・イン・ハウという男性が作成したことにちなみ、彼の名前の頭文字からCIHとも呼ばれ、確認されて以降はいくつか亜種が開発されて、毎月26日に作動するものなど様々な特長を持つものが作られました。
破壊力の強いウイルスで、実行ファイルに感染し、ハードディスクなどの情報が破壊されるようになっています。
台湾で発見されてからは、トルコや韓国でも被害が確認され、特に韓国では2億ドル以上の被害といわれています。
この騒動は一度は沈静化されたものの、ワームを通じての感染が一時的に増えています。

常に新しい技術が開発されるIT技術において、コンピューターウイルスも新しいものが増えていて、世界中でも新たな被害が確認されているので、皆さんのパソコンにも感染する可能性があるのです。
コンピューターウイルスやワームといってもいくつか種類があるので、すべてを把握することは難しいので、対策はできるだけ行い、ソフトウェアを常に新しい状態にしておきましょう。

メールなどから感染!ウイルスの感染経路

日常でコンピューターを使用していると、セキュリティに関してはいつどんなことが起こるかわからず、もしものことに備えて、しっかりとした対策をとらなければならず、特にコンピューターウイルスには要注意です。
コンピューターウイルスをはじめとする悪質なプログラムは、様々なルートから感染していき、主な感染経路としては、メール・インターネット・ネットワーク・外部メディアなどから感染することがあります。
コンピューターウイルスに感染しないためには、これらの取り扱いに十分注意しないと、すぐに感染してしまいます。

メールによる感染は一般的で、メールに添付されているファイルを開くと感染する方法がよく知られています。
何も知らずに開いてしまうと、悪意のあるプログラムならすぐにウイルスに感染してしまい、添付されているファイルが実行形式のもの(.exe)は注意すべきだと言われていましたが、最近ではファイル名をうまく偽装して感染させる手口も見受けられました。
たとえ文書ファイルであっても、文書作成ソフトの脆弱性を狙う攻撃を受けることもあり、悪意のあるものなら、ファイルを開かなくてもウイルスに感染することがあり、メール内のURLをクリックしただけで感染することもあります。

インターネットからウイルスに感染する事例も多く、良いホームページかどうか見分けがつかないことがあります。
ホームページ上で様々な処理ができようになったことから、悪質なホームページも出回るようになり、ホームページの脆弱性を悪用するウイルスを埋め込んだホームページを見ると、宇井するにすぐ感染してしまいます。
Webブラウザの機能を追加するプラグインの脆弱性を悪用するウイルスもあり、ウイルスの感染方法は進化しています。
主にアダルトサイトや出会い系サイトなどから感染する事例が多く、動画や画像を見たことでウイルスに感染することがあります。
怪しいホームページを見なければ安心だと思われますが、正規のホームページが不正侵入を受けてウイルスが仕込まれることがあるので、油断はできません。

ネットワークによる感染経路であれば、感染が拡大することがあり、社内または家庭で複数のパソコンをつないでいたら、ウイルスに対するセキュリティはとても重要なものになります。
1台のパソコンがウイルスに感染しただけで、複数のパソコンにウイルスの感染が広がり、感染したパソコンの中からネットワークの共有ディスクを見つけ出し、特定の条件により探し出したファイルに感染していくものもあり、他のパソコンやサーバーに悪影響を与えます。
ネットワークを感染経路にしたものは、感染の規模から危険性が高く、完全に駆除することはとても難しいです。
複数のパソコンをつなぐ際は、しっかりとしたセキュリティ対策を行う必要があり、1台だけでなく全体的にセキュリティソフトを入れるなど、厳重な管理体制で利用しましょう。
ネットワークもそうですが、全体を通して感染経路を問わず、コンピューターウイルスには十分気を付けましょう。